2017年10月11日水曜日

【モスクワの歩き方④】モスクワとトロントのキャンプの比較2

前回、書き忘れましたが、トロントのキャンプは以前はヴラディミアがホストとなって、バレンティン・タラノフやコンスタンチンといったモスクワのインストクラターをゲストに迎えるというスタイルでした。
2014年にタラノフがミカエルの元から離れたため、2016年はゲストがなく、全てをヴラッドがリードするという形でした(朝などは本部インストクラターのゼットラーが担当)。今後はどうなるか分かりませんが、セルゲイなどをゲストで呼ぶということも考えられます。
一方、モスクワはミカエルが主体で、本部インストラクターに交互にリードさせる形です。ただ、この2年ぐらいはミカエルが教える時間が長くなっていると聞きます。

写真は2016年のトロントキャンプ

というわけで前回からの続きです。

【毎日のスケジュール】

★モスクワ:モスクワのインターナショナルセミナーに最後に行ったのは2013年なのですが、基本的には大きくかわっていません。朝のワークが45分、そして朝食後、午前のワーク。昼食後に午後のワークで、あわせて6時間ぐらい。夜のクラスはエキストラで、以前は別料金でした。何時間行うかは、その年の講師によっても違います。今年は夜のクラスはなかったようです。また夜のクラスがあったとしても毎日ではありません。モスクワ市内のナイトツアーやバーニャ(ロシア式のサウナ)ツアー、最終日の夜はパーティがあり、夜のクラスがあったとしても1日だけだったりします。

★トロント:去年のトロントのキャンプに参加した後に、このブログに毎日のスケジュールを書いて紹介していますが、もう一度書きます。7時10分から8時40分までが朝のトレーング。その後、朝食。10時から13時までが午前のトレーニング。昼食後、15時半から18時が午後のトレーニング。そして、夕食後に夜のトレーニングがあって、20時半から2時間から3時間ほどです。午前のトレーニングが終わった後、湖に行って、ファイティングインウォーターのトレニーングをすることもあるので、実質午前は3時間半以上トレーングすることもありました。毎日9時間から10時間のトレーニングになります。朝のワーク1コマ、午前1コマ……と数えていくと、全部で19コマもあります。そのうち12コマがブラディミア担当でした。

〔比較〕
スケジュールやトレーニング的にはモスクワのほうが楽です。それにトロントはとにかくフリーの時間がない。夜も終わるのが早くて10時半。遅いと深夜の12時半とか1時になります。それで朝のトレニーングがありますから寝不足にもなります。キャンプ中のアルコールは危険なので、トロントでは合宿に入ると、最終日のパーティまで、飲酒は一切禁止です。ただ、北米でやっているせいもあって、みんなフレンドリーな感じです。
モスクワは合宿中でも毎日お酒を飲んでもOK。途中にバーニャツアーもあって旅の疲れもいやせます(ただし、帰りが午前4時なんてことも)。モスクワの合宿は、今回の富士キャンプに近い感じで、夜はみんなでダラダラと喋ったりして楽しいです。トロントは疲れ果てて、そんな感じはありません。
というわけで、体力のある若者にはトロントがオススメ、合宿といえば飲みながら仲間とくだらない話を語り合うことだと思っているような昭和世代の中年以上にはモスクワがオススメです。

【ワークの内容】

★モスクワ:今回の富士キャンプのように、一つのワークをじっくりとやるのがモスクワ式です。特にインターナルをやるようになってからは、その傾向が強いのではないでしょうか。富士キャンプではミカエルがいろいろとデモを見せてくれましたが、モスクワでは本部のインストラクターが交代してリードすることもあります。今回の富士キャンプは、ミカエルが何時間も教えてくれましたが、こうした機会はなかなかあるものではありません。また、トレーニングは基本的に室内です。

★トロント:ブラッドのセミナーに出たことのある人ならば、お分かりかと思いますが、きっちりと順序だてた構成で、3時間があれば、30近いワークが行なわれたりします。最後には「なるほど、このために、いろいろやっていたのだな」とブラッドらしい構成の仕方に驚きます。ブラッドのワークは、インストラクターにとっては(ブラッドのように真似できないとしても)「こういうふうに教えればいいんだ」ととても参考になります。システマですから個人の体力に応じて休んでいけばいいのですが、体力的にはモスクワよりきついことが多いです。また、トレーニングは基本的に野外です。雨が降っていようが何しようが外です。びしょびしょになるし、山ですので、夜は寒いです。そういうこともあってきついのです。雨の中でのトレーングが続くと、肺炎になるのではないかと思います。朝、昼、夜の気温差が激しいので、夏なのに、冬支度も用意して行く必要があります。

[比較]
基本的にはトロントの方がきついです。それに寒い。自分で調整して、きつい時には休むなどすればいいのですが、どうしても50万円もかけて行っていると無理して、トレニーングに出てしまいます。すると、なんとかキャンプを乗り切っても、日本に戻って来てから、どっと疲れが出て大変です。もっとも私は、そんなに体力がある方だと思っていないので、体力がある人ならばまた違うかもしれません。

【どちらがいいのか】

一番の問題は、お金と時間です。都合がつくほうを選べばいいと思います。
上記にも書きましたように、野外メインのトロントは一度は経験してみた方がいいです。
それも若いうちに。50過ぎると、さすがにきつくなります。
西洋人の中には60過ぎても来ているおじさんがいますが、日本から行くこと自体が体力がいりますから、比較はできません。
トロントは西側の人が多いため、上記のしたようにフレンドリィな人が多く、友達も多く作れるような気がします。
しかし、中高年には、モスクワがオススメのような気もします。
富士キャンプ的なものを望むならばモスクワです。
それにモスクワのまったり感は日本人に向いているような気がします。
かつて日本で共産主義、社会主義、マルクス経済が流行り、多くのロシア文学が翻訳され、文学部でも露文(ロシア文学専攻)が流行りました。
それもこれもロシアにシンパシーを抱く文化人が多かったからに違いありません。
その感じがモスクワに行くと分かります。

富士キャンプの夜、まったりする面々(上)。こうした感じは、日本的でもありますが、モスクワではこんな感じの夜を過ごします。トロントのキャンプでは、こうはいきません(笑)。


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