2017年7月10日月曜日

「エンプティ」と「フル」――アダムセミナーで感じたこと

7月上旬に行われたアダムセミナーで、
アダムがよく言っていたのが、「エンプティなボディ」ということでした。

これまで、よく言われていたのは「体をフルにしろ」ということ。
要は体の中の力を滞らせることなく、均等に力をみなぎらせている状態
とでも言うのでしょうか。

ところが、今回言われたのは「エンプティ」。

システマ東京のインストラクターの北川さんが、
ツィッターでこんな内容なことを書いていました。

――「フルにしろ」とか「エンプティしろ」とか言われて、
混乱している人が多いけれど、膨らんだ風船はフルでもあり、
エンプティだ――と書いています。

その通りだと思いました。
今回のアダムセミナーで徹底して行ったのが、
体の中にテンションを残さない、
テンションのない体の作り方でした。

アダムがエンプティと言ったのは、
テンションがない「空の体」ということなんですね。

北川さんが風船のたとえを書いていますが、
僕は宇宙にたとえても、いいなと思うのです。
宇宙の始まりは真空でしたが、エネルギーが満ちていました。
そんな感じだと思うのです。
まさにエンプティであり、フルだったのです。

5月末のダニールセミナーでは、テンションがないリラックスした体が
どれほどの可能性があるかを見せてくれました。
では、そのテンションがない体をどう作るのか。
それを今回のアダムセミナーでは、具体的なワークに落とし込んで
教えてくれたような気がします。

そして、アダムが「空」ならば、3月に行われたザイコセミナーは「無」。
アダムは「ボディに空にすることで、相手に予期せぬ動きになる」と。
ザイコは「頭は空っぽをすることで、相手は自分の動きが読めなくなる」と。

アダムは体を空にしてテンションを抜くことを言っていましたが、
ザイコは頭を空にする、頭のテンションを完全に抜くことで、
相手に悟られない動きを見せてくれました。
ザイコは見せてくれたことは、「空」より「無」という感じです。

ダニールやザイコのほうが、より抽象的で難しいことを提案しているのですが、
そこへ至る方法論を、今回のアダムは示してくれたような気がします。

そして、アダムのセミナーは、呼吸にしても、
モスクワの第二呼吸とトロントのライトブリージングなど、
表現の仕方は違っても、方向性は同じだということを感じさせてくれました。

今年のシステマのセミナーは、
セルゲイ・ザイコ→ダニール→アダムと非常にいい流で来ています。
(1月に行われたクオンのセミナーでも、テンションを抜くことの
重要性は語られていました)

10月のミカエル来日、富士での合宿も楽しみですね。

写真はアダムセミナーにて。暑かった!



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