2017年2月5日日曜日

システマのワークと「気づき」

このところ、1月13日から15日かけて行われた
システマシアトル主催のクオン師のセミナーの復習を行っています。

約9年前に行われたクオン師のセミナーでは、
「フィジカル的にきつかった」ことが伝説にように言われています。
セミナー終了後、シアトルのインストラクターの蔵岡さんから「きつかったですか」と
「いや、それほどでも。耐えらないきつさではないです」と答えると、
「そうでしょう。いつも僕らがシアトルで行っているのも、こんなものです」という。

あまりきつく感じないのは、自分がシステマをやってきて「頑張らない」ことを
覚えたせいかもしれません。
システマのワークでいつも自分が思っているのは、
「無理しない、頑張りすぎない、でも甘やかさない」ということです。
自分の限界までやって、できなければできないと諦める。
できなくても落ち込まない。
これがシステマを続けるうえで、肉体的に精神的に健康にいいような気がしています。

ちょっときついかもしれないというワークをやっているわけですが、
先々週にこんなワークをやったんですね。

プッシュアップで10数えてゆっくり下がって10でゆっくり上がる、
終わったら、何をしてもいいから、それを一呼吸で回復する――。
回復したら、「もう1回」「もう1回」とリードに合わせて同じことを繰り返す。
クオン師のセミナーでも、10回ぐらいやったかもしれません。

何度も「もう一回」が繰り返させるなかで、
常連のOさんがクラスが終わった後で、
「プッシュアップがいつまでも続くのかと思いました」と語っていました。
ちょっとそこで思ったのは、その思いがテンションになってしまうのではないか。
生じた肉体的なテンションは呼吸でなくすとしても、
「いつまで……」という精神的なテンションはどうしたらいいのか。

今そのときに集中するしかないんじゃないかと思うんですね。
ゆっくりした動きの中のひとつひとつに意識に集中していくことで、先を考えない。
呼吸、血流、筋肉、骨……リラックスしているか、緊張がないか、意識を向けて、
プッシュアップを丁寧に丁寧にやっていくしかないのではないかと思った次第です。

そうやって丁寧にやっていくと、そこには「気づき」があって、
今流行りの「マインドフルネス」にかなり近いワークになるのではないかと
思った次第です。
細かく丁寧にワークしていなくても、普通にやっていてもシステマの場合は、
かなり体を細かく観察していきますから、それに近い効果がある気がします。

「マインドフルネス」の素は、仏教の瞑想法です。
ですから、かなり禅にも近いところがあります。
よく合気道や弓道などの武道が「動く禅」と言われますが、
システマもまた「動く禅」の要素の部分があると思うんですね。

「仕事で疲れていても、システマをやると元気になる」という感想をいただきますが、
システマが精神的にもリセットさせる効果があるからだと思っています。

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